ぽっどきゃすてぃんぐ落語 「片棒」三遊亭歌彦

最後まで聴くことができた。丁寧で誠実な噺という印象。語り口が滑らかで好印象で、安心して聴ける落語だった。2人目の息子の「ちゃんちゃんちきちきちゃかちきち♪」がいい感じ。人の声で演じるお囃子というのはそれだけで1つの芸になり得るわけで、なかなか楽しめた。古典だしオチでどっかーんと笑いは取れないわけで、オチはどっちかっつうと粋に噺を終えるためのきっかけになるわけだが、間の取り方など細やかな芸で飽きることなくきけた。だが辛口でいえば可も不可もなく、2つ目の落語家さんの噺の標準形というかんじ。今度はこの噺家の人情噺を聴きたい。がそれはぽっどきゃすてぃんぐ落語では無理だろうな。まだはじまったばかりなのでとっつきやすい噺をniftyも選んでくるだろう。今回はこの辺で。まあ仕事しながら聞いてるわけだが。

落語家や芸人というのはもう人に見られる生き方というのを自分で選択している時点でたとえその芸が多数に受け入れられようがどうあろうが私からすると尊敬の対象なので、ここでたとえ批判的な意見を書いたとしてもそれは蔑んでいたり馬鹿にしているわけでは決して無い。落語家や芸人はその未熟さも円熟も、また老いですら笑いに昇華する人たちであるので、芸に生きることを選択している時点で、ある意味批判すら応援になる、と私は思っている。というわけでポッドキャスティングによってより多くの落語家の噺(しかも若手の)を聴けるのは意味がある。niftyよくやった。