タナカカツキのタナカタナ夫展
キリストは言った。
「今日あなたに真実に言いますが、あなたはわたしと共にパラダイスにいるでしょう」と。
パラダイスとは何だろう。聖書によればその特色のひとつは
「コワ〜い動物たちとも一緒に住める」状態らしい。
そう。ライオンは襲わないし、蛇にもかまれない。いろんなカワイイ動物たちはそのまんま。
食われたりしないから、ぞうさんもきりんさんもパンダもくじゃくも、み〜んな好き勝手。
子どもたちは猛獣と戯れる。
あいにくだが、まだその日は来ていないようだ。
それでも、タナカカツキのタナカタナ夫展で見ることが、聞くことが、感じることができる…のは、そのパラダイスに極めて近い、否、喋りを加えることによってそれすら超えたものなのかもしれない。
まだ会期は終わっていない(28日まで)なので、ネタバレは避けるが、僕はこんなことを考えた。
人は起きては額に汗してパンを食べ、うんこをし、バカな事を喋ったり喋ったり喋ったりして寝たらまた喋ったり喋ったり喋ったりしたりして、おかしな絵を描いてはまたうんこをし、よだれを垂らして寝るのだ。
僕たちはうごめくものたちの中でグロテスクなほどうごめき、笑い、泣いて、そしてまた喋っているのだ。
自分は何てアホなんだろう。それは何て素晴らしいのだろう。美しいのだろう。喋ってるのだろう。
タナカカツキのタナカタナ夫展でタナカカツキの作品を見る人は、皆、そんな気分になるのではないだろうか。だって俺はそうなったもの。それはとても幸福感に満ちたものだったんだ。
あなたはどうだろうか。そうなったらなったで面白いし、ならなくっても面白い。それを教えてほしい。