ずっと傍らにいる

会社の都合をつけるため一度東京に戻った。
今日の昼からまた病院に行く。今しがた連絡したところ、母の体内の酸素量低下により、急変もありうるとのこと。ありうるっていうか、あるんだろう!と誰かに行き場の無い思いをぶつけたくなるがどうしようもない。
そういえば、起き上がりたいから起こしてくれ、と言い、それでも自力で起き上がれないことを悟った母は、うわごとのように「どうしょうもないねぇ。どうしょうもないねぇ。」とつぶやいていた。僕が感じる以上の無力感を味わっているのだ。なんと私は無力なのだろうか。日本で一番患者の評判のいい病院も、結局末期がんに対しては、申し訳程度の、もしくは無理やり眠らせる痛み止めや、体をさすったり温めたりすることしかできない。どうしてだろうか。なぜだろうか。世界はこんなにも美しいのに、どうして愛する人は苦しむのだろうか。
何があろうと、ずっと傍らにいる。