ALWAYS 三丁目の夕日

で、詳細、というか感想。
エンターテインメントというのはこういうことだと思った。観客を信じすぎず、温かく包もうとしている。そしてそれはいやな感じじゃない。どの客層のポイントも掴んでいる。たぶんこれを観て批判する人は、批判するための批判をしたい人か、邦画をハナから否定する輩くらいだろう。
ゲド戦記見て泣いてる人は、これをDVDで見てその差に打ちのめされて号泣したらいいと思う。
これは日本アカデミー賞(この名称には不満はあるけど、それは置いといて)を総ナメにした作品で、その時の授賞式の様子を僕はテレビで見ていたんだけれども、受賞した吉岡秀隆が「この賞を渥美清さんに捧げます」と言っていた理由がよくわかった。
この映画は「家族」「故郷」「寅さん」といった山田洋二作品を目指している。完全にオマージュとも言える作品だ。しかも、撮影手法やカメラワーク、脚本の点でも、山田洋二作品を超えたと僕は思う。
演者・スタッフ共に、目指すところがあったことが、この作品の完成度の高さにつながった気がしてならない。山田作品の完成度を理解し、そしてそれを目指し、超える映画人が現れたことは、日本映画界にとって素晴らしいことだと思う。もっと評価されていいはずだ。少なくともゲド戦記の10倍は。