送信BOX

母の葬儀以来、久しぶりに親父と会って青山で飲むことになった。
品川から、久しぶりに乗る山手線は酸っぱい臭いがした。
目黒辺りで、極楽とんぼの山本に似ている乗客の中年女性が、
「ちょっと聞いてもらいたいことがあるのよー!」
と叫びながら車両に乗り込み、連れの男女に、自分が出会った仏像がいかに素晴らしかったかについて説きだした。
極楽山本曰く、出会った仏像は首だけで、それでもなお飛鳥時代の気品を携えており、こんな素晴らしい仏様がどうして首だけなのか考えたら、本当に切なくなり、売るために作られた仏像との違いにガクブルだったとのこと。

という10月末の愚にもつかない記録が、携帯の送信BOXにあった。